お問い合わせ

サービス

読みもの

会社

お問い合わせ
ホーム›記事›業務効率化Tips

AIでExcelを速くする方法|集計・数式・マクロを任せる6つの型

「毎月おなじ集計を、おなじ手順でやっている」

「関数を調べているうちに、時間が過ぎている」

Excelの作業について、こうしたご相談をいただくことがあります。

前任者が作った数式が読めない。紙で届いた請求書を、手で打ち直している。金曜の夕方に「来週までに集計を」と頼まれる。

こうした作業は、AIに任せられる部分と、任せられない部分に分かれます。

任せられる作業は、6つの型に整理できます。型が分かると、目の前の作業を頼めるかどうかが判断できます。そして型ごとに、確かめる場所が1か所ずつ決まっています。

この記事では、6つの型それぞれについて、実際の頼み方と、確かめる場所を説明します。読みながら手を動かせるように書きました。

01

Excel の Copilot でできること

Copilotは、Excelのブックを直接書き換えます。数式を教わって自分で貼る道具ではなくなりました。

Copilot は右下のアイコンから開く

Excelの右下にCopilotのアイコンがあります。ここを押すと、画面の右側にチャット欄が出ます。あとは日本語で書くだけです。

Excel の右側に出るチャット欄

この表で、B列が「東京」の行だけ、C列の金額を合計してください

↑ ここに日本語で書く。関数名は要りません

関数名を覚える必要はありません。「何をしたいか」を書きます。

公式が挙げている7つのこと

Microsoftの公式ページには、Copilot in Excel でできることが7つ挙げられています。

  • ワークシートの編集(追加・名前の変更・削除、セルの値と範囲の変更、条件付き書式や罫線の適用)
  • データと数式の生成(複数シートへの数式の適用、データの集計)
  • グラフ、ピボットテーブル、図形の作成
  • 分析情報の特定(傾向や外れ値を見つける)
  • データの強調表示、並べ替え、フィルター処理
  • Web検索(引用つきで回答を出す)
  • 他のブックからのデータのインポート

最後の「他のブックからのインポート」は、OneDriveやSharePointに置いたExcelファイルから、データを持ってくる機能です。手元のパソコンに保存したファイルも対象になります。

3つのモードがある

Copilot in Excel には、編集・プラン・チャットの3つのモードがあります。既定は編集モードです。

  • 編集モード:ブックを直接書き換えます。データの整形、シートの結合、複数の手順を含むレポート作成に対応します
  • プランモード:先に計画を出します。実行前に中身を確認できます
  • チャットモード:ブックは変えず、分析だけします

ここが以前と変わった点です。 かつてのCopilotは「こういう数式を書いてください」と教えるだけで、実際に書き込むのは人の役目でした。いまは編集モードが既定で、Copilotがブックを直接更新します。

公式にはこう書かれています。

Copilot は Excel の組み込み機能を使用してブックを更新します。コンテンツは編集可能で、変更された内容はすべて自分で管理できます

元のデータを壊さない作りになっています。 Copilotが集計を作るとき、数字を直接打ち込むのではなく、元データを参照する数式を入れます。だから元データを直せば、集計結果も変わります。

02

無料でどこまでできるか

Excelの中でCopilotを動かすには、有料のライセンスが必要です。無料で使えるのはブラウザ側のチャットです。

Copilot Chat は追加料金なしで使える

対象のMicrosoft 365サブスクリプションを持っていれば、Copilot Chat は追加料金なしで使えます。ただしこれは、ブラウザやTeamsで使うチャットです。

Excelの中でCopilotを動かすには、Microsoft 365 Copilot のライセンスが必要です。

有料プランの価格

公式に載っている価格は次のとおりです(ユーザーあたり月額・年払い・税別)。

プラン価格
Microsoft 365 Business Standard + Copilot Business¥3,523
Microsoft 365 Business Premium + Copilot Business¥4,797

Premium のほうは、最大300ユーザーまでのID・アクセス管理や、機密データの検出・分類・保護が付きます。

ライセンスがない場合

Excelの中でCopilotが使えなくても、ChatGPTなどのAIで数式やマクロを作ること自体はできます。表をコピーして貼り付け、やりたいことを書けば、式が返ってきます。

ただし違いが3つあります。

  • 貼り付けの手間:ブラウザとExcelの間を何度も行き来します
  • 表の構造が伝わりにくい:Excelの中のCopilotはセルや表の構造を理解しますが、外のAIには文字として渡ることになります
  • 他のアプリとつながらない:Excelの集計からそのままPowerPointの資料を作る、といった流れができません

Copilotのアイコンが出てこない場合、サブスクリプションに含まれていないか、組織の設定で使えなくなっている可能性があります。公式にもその案内があります。会社のパソコンでは、情報システムの担当者に確認してください。

03

頼み方の基本

どの型でも、書くことは3つだけです。何をしたいか、どの範囲か、どこに出すか。

関数やマクロと並んで、よく語られる点です。

3つを書けば通る

  • 何をしたいか関数名ではなく日本語で
  • どの範囲か表がどこから始まるか、どの列か
  • どこに出すか同じシートか、新しいシートか

この3つが入っていれば、たいていの依頼は通ります。

抜けると、聞き返される

最も多く挙げられる悪い例が「いい感じに」です。

✗ 伝わらない

このデータをいい感じにまとめて

✓ 伝わる

月別・担当者別でクロス集計して、前月比の列を追加して。新しいシートに

「集計して」だけでは、何を軸にするかが決まりません。Copilotは聞き返してくるか、想定と違うものを返します。

一度に多くを頼まない

複数の作業をまとめて頼むと、途中で意図とずれます。

例えば「表記を揃えて、分類して、集計して、グラフも作って」と一度に頼むと、どこでずれたのかが分からなくなります。段階を分けて、1つずつ確認しながら進めるほうが、結果的に早く終わります。

違ったら、差だけを伝える

返ってきたものが想定と違う場合、最初から書き直す必要はありません。

✗ 書き直す

最初の指示を消して、また一から書く

✓ 差を伝える

列の順番を、日付・担当者・金額に変えて

何が違うかを言葉にするのが、そのまま次の指示になります。

04

型① 集計とグラフを作らせる

集計は「何を軸にするか」と「どこに出すか」を書けば通ります。確かめるのは、集計結果を1つ手で検算することだけです。

頼み方

集計は、範囲と軸を指定します。

このシートから、月別・担当者別で売上をクロス集計して、
前月比の列を追加してください。新しいシートに作ってください。

「集計して」だけでは、何を軸にするかが決まりません。軸と、どこに出すかを書きます。

例えば、次のような表があるとします。1行が1件です。

ABCD
1日付担当者商品金額
24/1佐藤A120,000
34/1田中B85,000
44/2佐藤B64,000

この形になっていれば、「月別・担当者別で集計して」がそのまま通ります。1行1件で、1列に1種類の情報が入っている状態が、集計しやすい形です。

アンケート結果でも同じです。業種と役職の2つの軸で満足度を見たい場合、「業種別・役職別で満足度をクロス集計してください」と書きます。ヒートマップにしたい場合は、そう付け加えます。

軸が思いつかない場合は、軸そのものを聞くこともできます。「このデータは、どの軸で集計すると傾向が見えますか」と書けば、候補が返ってきます。そのうえで、使う軸を自分で選びます。

部署ごとの使いどころ

同じ集計でも、部署によって見たいものが変わります。

  • 営業:担当者別・月別の受注状況、失注した案件の傾向
  • 経理:月次の推移、費目ごとの内訳
  • 人事:部署別の残業時間、年代別の在籍状況
  • マーケティング:施策ごとの反応、期間による比較

いずれも「何を軸にするか」を書く点は同じです。

グラフも同じ依頼で作れる

集計とグラフは分けなくて構いません。「集計して、推移が分かる棒グラフも作ってください」と続けて書けます。

例えば、月ごとの売上を集計したうえで、推移が分かる折れ線グラフを作りたい場合は、こう書きます。

月別の売上を集計して、推移が分かる折れ線グラフも作ってください。
グラフは同じシートの表の下に置いてください。

グラフをどこに置くかを書いておくと、後で探さずに済みます。

分析のヒントも聞ける

グラフができた後、そのグラフから何が言えるかを聞くこともできます。

このグラフから、会議で報告できる内容はありますか。

返ってきた内容は、そのまま報告に使わず、判断材料の1つとして扱います。

確かめる場所

集計結果を1つ、手で検算します。

例えば「担当者の平均が3.85」と出たら、その列だけを選択して、Excel右下に出る平均値を見ます。合っていれば、他も合っている可能性が高くなります。

件数も同じです。「9〜10点が67件」と書かれていたら、フィルターをかけて件数を数えます。

05

型② 数式を作らせる・読ませる

関数名は書かなくて構いません。やりたいことを日本語で書けば、数式が入ります。

関数名は書かなくていい

やりたいことを日本語で書きます。

この表で、B列が「東京」の行だけ、C列の金額を合計する
数式を入れてください。表は2行目から始まっています。

表がどこから始まるかを伝えます。1行目が見出しなら、そう書きます。

条件が2つ以上でも同じです。「購入回数が3回以上、かつエリアが東京の件数を数えてください」と書けば、条件に合う数式が入ります。

書き方で結果が変わります。

✗ 伝わらない

「このデータをいい感じに集計して」

✓ 伝わる

「B列が東京の行だけ、C列の金額を合計して。表は2行目から」

例えば、担当者別・商品別の売上表があるとします。「佐藤さんの商品Bの売上合計」を出したい場合、SUMIFという関数名を知らなくても、その日本語のまま書けば通ります。

条件付き書式も同じ頼み方

数式と同じ書き方で、色をつける指示も出せます。

売上が100万円以上のセルの背景を、赤にしてください。

例えば、期日が近いのに終わっていないタスクに色をつけたい場合は、条件を2つ書きます。

期日が今日から3日以内で、ステータスが「完了」以外の行の
期日セルを赤くしてください。

「今日」を基準にすると、開くたびに判定し直されます。

これまでは、条件付き書式のルールを自分で組み立てる必要がありました。条件が2つ以上になると、式の書き方を調べる時間のほうが長くなります。

人が作った数式を読ませる

前任者が作った数式が読めない、という場面があります。セルを選んで、こう聞きます。

このセルの数式を、何をしているか説明してください。

返ってきた説明が難しければ、「もっと簡単に説明してください」と続けます。

確かめる場所

数式が入ったセルを1つ選んで、数式バーを見ます。

数字が直接打ち込まれていないかを確認します。元データを参照する形(=SUMIF(B2:B100,...))になっていれば、元データを直したときに結果も変わります。数字が直打ちされていると、後で合わなくなります。

06

型③ マクロを作らせる

マクロは、書ける人がいなくても作れるようになりました。ただし実行前に、ファイルの複製と保存形式の2つを済ませてください。

最もよく語られ、最も探されている型です。

マクロが向いているのは、毎回同じ手順の作業

マクロは、決まった手順を自動で実行する仕組みです。毎月同じ集計をする、毎回同じ形に整える、といった作業が対象です。

これまでは、書ける人が社内にいないと作れませんでした。書ける人が辞めると、直せなくなります。

頼み方

何をしたいかと、表の構造を書きます。

Excelのマクロ(VBA)を書いてください。
A列の日付が今日より前で、D列が「未着手」の行の文字を赤くしてください。
1行目は見出しです。

「1行目は見出しです」を書き忘れると、見出しまで処理されます。

例えば、毎月の請求データで、期日を過ぎているのに「未着手」のままの行に印をつける作業があるとします。毎回同じ手順なら、マクロにできます。

実行する前は、こう並んでいます。

ABCD
1案件担当者期日ステータス
2A社 更新佐藤4/10完了
3B社 新規田中4/12未着手
4C社 見積佐藤4/20未着手

マクロを実行すると、条件に当てはまる行だけ色が変わります。

ABCD
1案件担当者期日ステータス
2A社 更新佐藤4/10完了
3B社 新規田中4/12未着手
4C社 見積佐藤4/20未着手

3行目だけが変わりました。期日を過ぎていて、かつ「完了」ではないからです。4行目は期日がまだ来ていないので、そのままです。

先にファイル形式を変えておく

ここが最初のつまずきどころです。

マクロを保存するには、ファイルの種類を「Excelマクロ有効ブック(.xlsm)」にしておく必要があります。通常の「Excelブック(.xlsx)」のまま保存すると、次に開いたときマクロが消えています。

「名前を付けて保存」で、ファイルの種類から「Excelマクロ有効ブック」を選びます。作ってから気づくと、書いてもらったコードをもう一度貼り直すことになります。

貼り付ける場所

  1. Excelの「開発」タブを開く

  2. 「Visual Basic」を押す

  3. 「挿入」から「標準モジュール」を選ぶ

  4. 返ってきたコードを貼り付ける

  5. 「表示」タブの「マクロ」から、作ったマクロを選んで実行する

「開発」タブが出ていない場合は、「ファイル」→「オプション」→「リボンのユーザー設定」で、「開発」にチェックを入れると表示されます。

使い方も一緒に聞いておく

コードだけ受け取っても、どこに貼るか分からないことがあります。依頼の最後に一文足しておきます。

コードと合わせて、貼り付ける場所と実行の手順も教えてください。

エラーが出たら、そのまま伝える

マクロは一度で動かないことがあります。 実演でもエラーが出ることは珍しくありません。

エラーが出たら、画面に出た文をそのままAIに貼ります。

「実行時エラー '1004': アプリケーション定義またはオブジェクト定義のエラーです」
と出ました。

これで修正版が返ってきます。エラー文は消さずに、そのまま伝えるのが早道です。

確かめる場所

コピーしたファイルで先に試します。

マクロは元に戻す(Ctrl+Z)が効きません。実行前にファイルを複製して、複製のほうで動かします。想定どおりなら、本番のファイルで実行します。

07

型④ 紙や画像から取り込む

紙で届いた請求書を、手で打ち直す作業は任せられます。ただし読み取った数字は、全項目を1度は目で見ます。

これまで手作業だった理由

紙で届いた請求書をスキャンして、そこからExcelに打ち直す。この作業が残っていた理由は3つあります。

  • OCRの精度:文字化けが起きて、結局手で直すことになる
  • フォーマットがばらばら:会社ごとに請求書の形が違い、どこを読めばいいか機械が判断できない
  • どの形で保存するか:読み取れても、集計できる形になっていない

Excelにも「データ」タブに画像から取り込む機能がありますが、精度は高くありません。

頼み方

画像やPDFを渡して、何を取り出すかを列挙します。

この請求書の画像から、次の項目を取り出してください。
請求元の会社名/請求書番号/請求額/振込期限/振込先

表の形にまとめて、Excelで開ける形式で出してください。
期限の記載がない場合は「記載なし」と書いてください。

「記載がない場合はどうするか」を先に書いておきます。書かないと、AIが推測で埋めることがあります。

PDFを渡す場合は、「まず画像に変換してから読み取ってください」と加えると、画像として解析されます。

出てくる形

取り出した結果は、集計できる形で返ってきます。

ABCD
1請求元請求書番号請求額振込期限
2株式会社◯◯INV-2026-04242,750,0005/18
3△△工業2026-0517880,000記載なし

1行1件になっていれば、そのまま型①の集計に渡せます。

確かめる場所

読み取った項目を、全部1度は目で見ます。

実演した動画では、会社名・住所・電話番号・口座番号まで正しく読み取れていた一方で、振込期限だけが違っていました。 請求書に「発行より30日以内」と書かれていたのを、AIが日付に置き換えていたためです。

金額・日付・口座番号は、間違えると影響が大きい項目です。件数が多い場合でも、この3つは全件確認します。

08

型⑤ 文章とサマリーを作らせる

集計した数字から、報告文やメールの下書きまで作れます。事実に関わる部分だけは、自分で確認します。

集計結果から報告文を作る

Excelは数字を出すだけの道具ではありません。集計した結果から、報告用の文章を作れます。

このアンケート結果を、経営会議用に200字でまとめてください。

字数と、誰に向けた文かを書きます。「経営会議用」と「現場向け」では、返ってくる文が変わります。

同じ集計でも、読み手によって書き方が変わります。経営会議なら結論と数字が先、現場向けなら次にやることが先、といった違いです。読み手を書いておくと、そのぶんの調整が入ります。

白紙から書き始めない

報告書や日報を前にして、何から書くか悩む時間があります。集計した数字がすでにExcelにあるなら、その時間は要りません。

「白紙から文章をひねり出そうとするのは、手で井戸を掘るようなもの」と表現されることもあります。50点の下書きを出させて、そこから直します。

部署ごとに、頼めるものが変わります。

  • 営業:日報へのコメント、案件ごとの状況まとめ
  • 経理:月次の推移についての説明文
  • 人事:面談記録からの要因のまとめ
  • 経営:会議用のサマリー

数字の裏にある理由も聞ける

集計結果を見て「なぜこうなったか」の見立てを出させることもできます。

このクロス集計の結果について、差が出ている理由の仮説を
3つ挙げてください。根拠にした数字も書いてください。

「根拠にした数字も書いて」を付けると、後から確認できます。

返ってきた仮説は、そのまま報告には使いません。確かめる方向を決めるための材料として扱います。

1件ずつの文面も作れる

例えば、アンケートで低い評価をつけた人にお詫びの連絡をする場合、対象を絞って文面の下書きを作らせることができます。

評価が3以下で、改善要望に具体的な記載がある人について、
個別の返信メールの下書きを、新しいシートに作ってください。

100件のうち該当が10件なら、10件分の下書きが並びます。定型文だけ先に作っておき、個別の部分だけ書き換える使い方もできます。

確かめる場所

そのまま送らないことです。

文面は下書きとして扱います。日付、金額、担当者名など、事実に関わる部分は必ず自分で確認します。

09

型⑥ バラバラのデータを揃える

表記がそろっていないと、同じ会社が別々に数えられます。集計の前に、この型で整えます。

表記がそろっていないと集計できない

「株式会社」「(株)」「㈱」が混ざっていると、同じ会社が別々に数えられます。半角と全角の違いも同じです。

これまでは、置換を繰り返すか、手で直すしかありませんでした。

頼み方

B列の会社名の表記を統一してください。
「株式会社」に揃え、全角・半角も揃えてください。

元のデータは残したまま、新しい列に揃えた結果を入れてもらう書き方もできます。こうすると、直す前と後を並べて確認できます。

B列の会社名を「株式会社」に揃えて、隣に新しい列を作って入れてください。
元のB列はそのまま残してください。

例えば、取引先リストが500件あるとします。「株式会社」の表記が3種類混ざっていると、集計したとき同じ会社が3社に分かれます。人が置換で直すと、社名の一部に「株式会社」が含まれる会社まで巻き込むことがあります。

自由記述の分類もできる

アンケートの自由記述のように、文章が並んでいる列も分類できます。

「良かった点」のコメントを読んで、分類パターンを作ってください。
そのうえで、新しい列に分類結果を入れてください。

例えば、200件の自由記述があるとします。人が読んで分類すると、担当者によって基準がぶれます。途中で基準が変わることもあります。同じ基準で一度に分類できるのが、この型の利点です。

分類の使いどころは部署によって変わります。

  • 営業:失注した理由の分類
  • マーケティング:問い合わせ内容の分類
  • 経理:経費明細から勘定科目の振り分け
  • 人事:面談記録からの傾向の整理

先に分類パターンだけ確認する

いきなり全件を分類させると、基準が想定と違ったときに全部やり直しになります。先にパターンだけ出させる方法があります。

コメントを読んで、分類パターンの案だけ先に出してください。
まだ分類はしないでください。

パターンを確認してから、「このパターンで分類してください」と続けます。

確かめる場所

変更された箇所の件数を見ます。

Copilotは「変更箇所は◯件です」と返します。元データの件数と照らして、多すぎたり少なすぎたりしないかを見ます。おかしければ、元に戻して条件を書き直します。

10

うまくいかないとき

返ってきたものが違ったときは、書き直すのではなく「想定との差」だけを伝えます。

うまくいかない原因は、だいたい次の5つのどれかです。

  • 「集計して」だけで、軸を書いていない軸と出力先を足す
  • 元データの表記がバラバラ先に型⑥で整える
  • 一度に多くを頼みすぎている1つずつに分ける
  • 返ってきたものが想定と違う差だけを伝える
  • 処理の途中でExcelが落ちた保存して開き直す

指示があいまいだと、聞き返される

「集計して」だけでは、何を軸にするかが決まりません。Copilotは聞き返してくるか、想定と違うものを返します。

✗ 伝わらない

このデータをいい感じにまとめて

✓ 伝わる

月別・担当者別でクロス集計して、前月比の列を追加して。新しいシートに

目的と、範囲と、どこに出すかの3つを書きます。

元データが汚いと、うまくいかない

IDが間違っている、表記がずれている、結合セルが混ざっている、といった場合、集計や連携が失敗します。先に型⑤で整えてから、集計に進みます。

断られることがある

Copilotは、後から再現できない処理を避ける傾向があります。例えば「文章を読んで5段階でスコアをつけて」と頼むと、こう聞き返されることがあります。

スコアリング方式は Excel の数式で実装するため、
キーワードベースで判定します。よろしいですか。

再現性より柔軟さが必要な場合は、そう伝えれば実行されます。

キーワードではなく、内容を読んで判定してください。
判定した理由も、隣の列に書いてください。

理由を書かせておくと、後から自分で確認できます。

一度に多くを頼みすぎない

複数の作業をまとめて頼むと、途中で意図とずれることがあります。

例えば「表記を揃えて、分類して、集計して、グラフも作って」と一度に頼むと、どこでずれたのかが分からなくなります。段階を分けて、1つずつ確認しながら進めるほうが、結果的に早く終わります。

指示のコツは、具体的に、そして段階的に伝えることです。

思ったものと違うときは、差を伝える

返ってきたものが想定と違う場合、最初から書き直す必要はありません。想定との差だけを伝えます。

✗ 書き直す

最初の指示を消して、また一から書く

✓ 差を伝える

列の順番を、日付・担当者・金額に変えて

何が違うかを言葉にするのが、そのまま指示になります。

処理が重いと落ちることがある

データ量が多いと、処理中にExcelが終了することがあります。作業前に保存しておきます。

保存していれば、開き直して同じ依頼を出すだけで済みます。落ちること自体は避けられないので、こまめに保存する前提で使います。

11

向かないケース

AIに任せないほうが早い場面があります。次のどれかに当てはまるなら、自分でやったほうが早く終わります。

  • 判断そのものが目的の作業(どの数字を採用するか、どう解釈するか)人が決める
  • 社外に出せないデータを、会社が許可していないAIに入れる使わない
  • 毎回、条件が変わる作業そのつど頼む
  • 1回しかやらない作業マクロにしない
  • 10行程度の小さな表自分で書く
  • 結合セルが多く、1つのセルに複数の情報が入った表先に表を直す

判断が必要な作業

どの数字を採用するか、どう解釈するかは、人が決めることです。AIは材料を出しますが、決めるのは使う人です。

社外に出せないデータを扱う場合

個人情報や取引先の情報を、会社が許可していないAIに入れてはいけません。Excelの中のCopilotは法人向けの仕組みですが、会社の規定を必ず確認してください。

外部のAIを使う場合は、名前や電話番号をそのまま貼らない方法があります。

✗ そのまま貼る

「山田太郎、090-1234-5678、東京都…」を貼り付ける

✓ 構造だけ伝える

「A列に名前、B列に電話番号、C列に住所がある」と書く

元データが整っていない場合

結合セルが多い、1つのセルに複数の情報が入っている、といった表は、先に整える作業が必要です。整える手間のほうが大きい場合、AIを使う前に表の作り方から見直したほうが早いことがあります。

例えば、見た目を整えるために結合したセルが並んでいる表は、集計に向きません。人が見るには分かりやすくても、機械が読むと1つの値が1か所にしかない状態になります。

一度きりの作業

マクロを作る手間は、繰り返す回数で回収します。今回しかやらない作業なら、マクロにせず、その場で集計や数式を頼むほうが早く終わります。

型ごとの確認場所

全部を確認する必要はありません。型ごとに、見る場所は1か所だけ決まっています。

型確かめる場所
①集計・グラフ集計結果を1つ手で検算する
②数式数式バーを見る。数字が直打ちされていないか
③マクロコピーしたファイルで先に実行する
④紙・画像金額・日付・口座番号は全件見る
⑤文章日付・金額・名前などの事実を確認する
⑥データ整形変更された件数を元データと照らす

AIが出した結果をそのまま提出して、間違っていた場合、責任は出した人にあります。複数の発信者が、同じことを述べています。

自分で全部を確認するのが難しい場合、AIにも確認させる方法があります。

各分析シートと元データに、矛盾がないか検算してください。

このとき、新しいチャットを開いて頼みます。同じ会話の続きだと、それまでの前提を引き継いだまま確認することになります。

ただしこれは、人の確認の代わりにはなりません。自分でも一部を見たうえで、補助として使います。

12

よくある質問

Copilotのアイコンが出てきません
Microsoft 365 のサブスクリプションにCopilotが含まれていないか、組織の設定で使えなくなっている可能性があります。会社のパソコンの場合は、情報システムの担当者に確認してください。
関数を覚えなくてよくなりますか
数式を作る作業は任せられます。ただし、返ってきた数式が正しいかを見る場面は残ります。数式バーを見て、元データを参照する形になっているかを確認できる程度の理解は必要です。
マクロを実行したら、元に戻せますか
マクロの実行は、元に戻す(Ctrl+Z)が効きません。実行前にファイルを複製してください。
スプレッドシートでも同じことができますか
Googleスプレッドシートでも、Geminiを使って同様の作業ができます。ただし操作の場所や呼び方が異なります。
無料で使えますか
Copilot Chat は対象のMicrosoft 365サブスクリプションに追加料金なしで含まれます。ただしExcelの中でCopilotを動かすには、Microsoft 365 Copilot のライセンスが必要です。

13

まとめ

Excelの作業でAIに任せられるのは6つの型に分かれます。型ごとに、任せていい範囲と、自分で確かめる場所が違います。

  • 型① 集計とグラフ 軸と出力先を書く集計を1つ検算
  • 型② 数式 関数名は書かず、やりたいことを書く数式バーを見る
  • 型③ マクロ 表の構造を伝える複製で先に試す
  • 型④ 紙・画像 取り出す項目を列挙する金額と日付は全件見る
  • 型⑤ 文章 字数と読み手を書く事実だけ確認
  • 型⑥ データ整形 揃える基準を書く変更件数を照らす

型が分かっていれば、目の前の作業がどれに当てはまるかを判断できます。当てはまらない作業は、AIに向いていない作業です。

頼み方に共通すること

6つの型に共通するのは、次の3つを書くことです。

  • 何をしたいか関数名ではなく日本語で
  • どの範囲か表がどこから始まるか、どの列か
  • どこに出すか同じシートか、新しいシートか

この3つが入っていれば、たいていの依頼は通ります。返ってきたものが違ったら、想定との差を伝えて直します。

何から始めるか

まず試すなら、型①の集計です。手元にある表を1つ選び、「月別・担当者別で集計してください」と書くところから始められます。

うまくいかない場合は、指示に「何を軸にするか」「どこに出すか」が入っているかを見直してください。多くの場合、この2つのどちらかが抜けています。

エラーが出ても、画面に出た文をそのまま伝えれば直ります。一度で動かないことは、珍しくありません。実演の途中でもエラーが出ています。

そして、どの型でも最後は人が確かめます。任せる範囲を決めて、確かめる場所を決めておけば、Excelの作業は今より速くなります。

この記事について

MASTER key AX事業部が書いています。中小企業向けに、AIを使った業務改善のしくみを作っています。

読んでみて、自社で試すか迷ったら

この記事の内容を自社の業務に当てはめると何ができるか、具体的にお話しします。まだ何を作るか決まっていなくても構いません。

相談する(無料)

Contact

困っていることがあれば、お聞かせください。
小さなことでも構いません。何を作るか決まっていなくても構いません。

お電話 06-6131-6763

お問い合わせ