2026.09.01
ChatGPTの売上CSV分析:3つの問いを小さな表で答え合わせ

毎月の売上表をChatGPTで整理してみたい。でも「売上を分析して」と頼むだけでは、返ってきた数字のどこを確かめればよいか迷います。最初は、行数・商品別合計・前月との差の3つに絞ってみましょう。
この記事では、実在の取引を含まない5行の売上表を使います。コードを書かずに試せる入力例と、電卓や表計算ソフトで確認する答えを用意しました。例は説明用に作ったもので、ChatGPTで実行した結果や実際の売上ではありません。
入力前に、会社の利用条件を確認する
仕事で使う場合は、勤務先が認めたChatGPTのアカウントと、入力してよい情報の範囲を確認します。顧客名だけを消しても、取引内容や未公開の売上が残ることがあります。最初は、以下の架空表を使ってください。
OpenAIのデータ分析ヘルプは、CSVやExcel形式のファイルを使った集計、表・グラフの作成を案内しています。利用できる形式や機能はモデル、プラン、会社の管理設定、アカウントによって異なります。
ファイルアップロードの公式案内では、表計算ファイルの添付はFreeと有料プランで利用可能とされていますが、上限や設定の条件があります。自分の画面で添付できない場合は、会社の制限を回避せず、管理者へ確認しましょう。
まずは5行の架空CSVを用意する
CSVは、表の列をカンマで区切って保存するファイル形式です。次の内容をテキストエディターでUTF-8の「sample-sales.csv」として保存するか、Excelなどで同じ表を作り、CSV形式で保存します。
date,product,quantity,sales_amount
2026-04-01,A,2,2400
2026-04-03,B,1,1800
2026-04-10,A,1,1200
2026-05-02,A,3,3600
2026-05-08,B,2,3600
列の意味は、dateが売上日、productが商品、quantityが数量、sales_amountがその行の売上金額です。金額の単位は円で、sales_amountはすでに数量を反映した金額とします。数量をもう一度掛けません。税・送料・返品は、この架空表には含めません。
1行目は列名、続く5行がデータです。最初は行を増やさず、このまま使うと答え合わせができます。慣れてから20行程度へ増やす場合も、1行を1件の売上とし、日付・商品名・金額の単位をそろえます。途中の空行や無関係な表は入れません。この整え方は公式の表データ準備の案内にも沿っています。
ChatGPTには、3つの問いと計算条件を渡す
用意したCSVを添付し、次のように依頼します。いきなり原因分析や売上予測まで広げず、元の表に戻って確認できる計算を頼みます。
添付したファイルは、実在の取引を含まない練習用の売上CSVです。
このファイルだけを使い、次の3つを計算してください。
1. 列名の行を除いたデータ行数。
2. 商品Aと商品Bそれぞれのsales_amountの合計。
3. 2026年4月と5月それぞれのsales_amountの合計と、5月合計-4月合計の差。
sales_amountは各行の売上金額(円)です。quantityは掛け直さないでください。
使った行・列・期間と、計算方法を示してください。
空欄や読み取れない値があれば補わず、どこが不明か示してください。
Pythonを使った場合は、コード・出力・計算の前提を分けて示し、
どの列をどう計算したかを日本語でも説明してください。
この表にない売上の原因や今後の予測は加えないでください。
「商品別に」と言うだけでなく、使う金額の列と、差を引く順序まで指定するのがポイントです。グラフだけが返った場合は、集計表と対象行を示してもらいます。
答えは、元表と別の計算で確かめる
以下は、上の架空CSVから求められる値です。ChatGPTの回答例ではありません。自分でも元表を見ながら、電卓や表計算ソフトで計算して比べてください。
| 確認するもの | 元表からの計算 | 答え |
|---|---|---|
| データ行数 | 列名を除いて数える | 5行 |
| 商品Aの合計 | 2,400+1,200+3,600 | 7,200円 |
| 商品Bの合計 | 1,800+3,600 | 5,400円 |
| 4月の合計 | 2,400+1,800+1,200 | 5,400円 |
| 5月の合計 | 3,600+3,600 | 7,200円 |
| 前月との差 | 7,200-5,400 | +1,800円 |
たとえば、商品Aが7,200円でも、4月と5月を分けた表が違っていれば確認は終わりません。商品別の集計と月別の集計で、同じ元表の行を正しく使っているかを見ます。
数字が合わなければ、「どの行を使ったか」「sales_amountに数量を掛けていないか」「4月と5月の期間が合っているか」を順に確かめます。AIに「正しいですか」と聞き直すだけでは、別の方法で確かめたことにはなりません。
ChatGPTがPythonというプログラミング言語で計算した場合、公式ヘルプはコード・出力・前提の確認を案内しています。コードが読めないときは、まず対象の列・期間・計算方法を説明してもらい、上の別計算と比べましょう。説明だけでコードを確認済みとせず、意味の分からない処理や条件が残る場合は、読める担当者に確認するか、その出力の利用を保留します。
試した後は、保存先と次に任せる範囲を確認する
ファイルの削除と、チャットの削除は分けて考えます。現行の公式案内では、Libraryに保存されたファイルはチャットを削除しても残り、保存済みファイルの削除は別に行うと説明されています。保持期間には保存先や会社の管理ポリシーなどの条件もあります。実データを使う前に、保存・削除の条件とモデル改善へのデータ利用設定を確認してください。
架空表で数字が合っても、会社の売上表全体を正しく分析できると分かったわけではありません。次の判断は、次のように分けます。
| 今回の状態 | 次にすること |
|---|---|
| 3つの問いを元表と照合でき、計算方法も確認できた | 架空表の行を少し増やし、同じ方法でもう一度確かめる |
| 数字が合わない、対象行が不明、処理を確認できない | 出力の利用を保留し、元表や計算条件を見直す |
| 実際の売上表で試したい | 入力範囲、契約・管理設定、確認者を社内で決めてから進む |
| 会計の確定や発注などの判断に使いたい | 業務責任者と確認方法を決める。練習の結果だけで判断を任せない |
残す記録は短くて構いません。確認日、確認者、利用したプラン・モデル、使ったファイル、3つの問い、別計算との一致・不一致、未確認点、次にすることを書き留めます。コードを使った場合は、そのコードと前提も一緒に残すと、後から確認できます。
入力範囲に迷ったら、生成AIに入力してよい情報の3分類チェックで、利用できる情報と社内へ確認する情報を整理できます。表やPDFから数値を拾う作業には、合計・単位・日付を原資料で確認する手順も参考になります。
「どの表なら試せるか」「誰が結果を確認するか」が決めにくい場合は、目的・表の列名・未確認点を整理して、社内の担当者やMASTER keyの相談窓口へ相談できます。相談の最初から、顧客情報や実際の売上ファイルを送る必要はありません。
参照した公式情報
製品情報の確認日:2026年10月15日。個別アカウントの表示、CSVのアップロード・分析、保存・削除の実機検証は行っていません。5行の架空表と3つの問いは、最初の試し方としての提案です。
- Data analysis with ChatGPT:対応形式、表の準備、集計とコード・出力・前提の確認。
- Uploading files and audio to ChatGPT:プランや設定による利用条件、ファイルの保存・削除、データ利用の確認先。


