2026.09.12
Google Workspace Geminiカスタム指示の使い方:まず1業務で確認

Google WorkspaceでGeminiのカスタム指示が表示されても、すぐに社内全体へ広げる判断は保留します。先に確認するのは、対象アプリ、アカウントとエディション、表示条件、指示の適用範囲、入力データ、そして原文を照合する人です。
結論は小さくて構いません。条件が確認できた1つのアプリで、実顧客情報を含まない公開または合成FAQを3件だけ扱い、「結論・根拠・要確認」の3欄へ整理します。どれか一つでも不明なら、実データの投入・共有・送信には進みません。
この記事では、Google公式に書かれていること、この記事の編集上の提案、まだ確認できないことを分けます。検索語としては「Google Workspace Gemini カスタム指示 使い方」を想定していますが、実在の検索需要や記事効果はまだ観測していません。
まず、Googleが発表したことをそのまま読む
2026年9月2日、Google Workspace Updatesは、Google Docsで先行していた保存型のカスタム指示を、Ask Gemini in Google Drive、Ask Gemini in Google Chat、Google Slides・Google Sheets・GmailのGeminiサイドパネルへ広げる発表を掲載しました。段階的なロールアウトは同日開始で、表示まで最大15日かかる場合があると説明されています。ここで確認できるのは、Googleが発表した対象面とロールアウトの説明です。9月12日時点で、すべてのテナントに表示済みという意味ではありません。[S1]
Google Docs向けの5月の更新では、カスタム指示を保存し、文体・トーン・書式の好みに応答を合わせる機能として説明しています。Docs版には対象エディションや段階ロールアウトの記載がありますが、その条件を9月の複数アプリへ横展開する根拠にはしません。[S2]
公式Helpには、Gemini in Workspaceのカスタム指示はGeminiアプリのカスタム指示とは別で、同期しないとあります。また、対象となるWorkspaceサービス間で指示が引き継がれること、Personalization settingsから追加・オン/オフ・削除を行えること、オフにしても保存済みの指示は残ること、削除は元に戻せないことが説明されています。Helpには最大1,000件という記載もあります。[S3][S4]
ただし、「サービス間で共有」は、同じ利用者が条件を満たすWorkspaceサービスで使えるという説明です。会社全体への共有や、管理者が全員へ強制する仕組みを意味しません。Google Workspace Updatesに「この機能に特化した管理者コントロールはない」とあることも、Gemini自体へのアクセス管理や社内ルールが不要という意味ではありません。[S1][S3]
アプリ別に「確認済み」と「未確認」を分ける
Google Workspaceの一般案内には、Gmail、Docs、Sheets、Slides、Drive、ChatそれぞれのGemini機能が載っています。しかし、各アプリにGemini関連機能があることと、カスタム指示が同じように適用されることは別です。[S5]
| アプリ | 公式資料で確認できる範囲 | 自社での判断 |
|---|---|---|
| Google Docs | 先行導入の更新と、追加・オン/オフ・削除を説明するHelpがある | 表示された画面、対象条件、指示の範囲を確認できたら最初の候補にする |
| Gmail | 9月2日更新でGeminiサイドパネルの対象に列挙され、Helpにも設定面として登場する | Gmailで表示されても、他アプリの同一挙動までは証明しない |
| Google Slides | 9月2日更新とHelpの対象に列挙される | 表示、言語・地域、アカウント条件を自社画面で確認する |
| Google Chat | Ask Gemini in Chatの対象に列挙され、Helpにはチャット中または /settings での扱いがある | DocsやGmailと同じ設定画面だと決めつけず、Chatの表示を別に記録する |
| Google Drive | 9月2日更新でAsk Gemini in Driveの対象に列挙される | カスタム指示専用HelpにDriveの記載がないため、更新ブログだけで利用可と断定しない |
| Google Sheets | 9月2日更新でGeminiサイドパネルの対象に列挙され、一般のSheets向けGemini案内もある | 一般機能の案内とカスタム指示の適用を分け、専用Helpまたは自社画面で確認する |
この表の「確認できる」は、公式資料にそのアプリが登場するという意味です。自社テナントで表示されるか、どのアカウント・エディション・言語・地域で使えるか、ロールアウトが完了したかは別の確認項目です。
公式Helpには、Personalize responsesについて米国内・英語のみという注意書きもあります。日本語版と英語版でAlpha/Betaの表記が一致しない箇所もあるため、記事から具体的なプラン名や日本語での提供可否を固定しません。自社画面と管理者または責任者の確認を記録してください。[S3][S4][S5]
3つを同じ機能として扱わない
カスタム指示、都度のプロンプト、Google Workspace StudioのFlowは、この記事では別の判断軸で扱います。これは製品仕様を一つにまとめるための公式分類ではなく、最初の業務を選ぶための編集上の整理です。
| 選択肢 | 保存と対象 | 向く最初の使い方 | 確認すべき境界 |
|---|---|---|---|
| カスタム指示 | Personalization settingsに保存し、条件を満たす対象サービスで回答の文体・トーン・書式を調整する | 複数回使う出力形式を、1つのアプリで小さく試す | どのサービスへ引き継がれるか、表示・オン/オフ・削除方法、会社全体への共有ではないこと |
| 都度のプロンプト | その依頼の入力にだけ付ける、本記事での編集上の整理 | 一回限りのFAQ整理や、カスタム指示を保存する前の比較 | 入力データの範囲、原文との照合、出力を承認済み回答とみなさないこと |
| Google Workspace StudioのFlow | AI step、source、変数、後続stepを組み合わせる別の仕組み | 繰り返す複数工程を設計するときの検討材料 | 参照source、後続処理、共有先、保存先。カスタム指示がFlowへ自動継承されるかはこの資料では未確認 |
Google Workspace Studioの公式ガイドは、FlowにGeminiのAI stepを組み込み、Webやアクセス可能なWorkspace・連携データをsourceとして選び、responseを後続stepへ渡せると説明しています。外部共有を伴う場合は、draftまたはprotected documentへ置き、人が確認して手動共有する案内です。カスタム指示との自動連動までは確認できません。[S6]
最初の1業務であれば、保存型のカスタム指示をいきなりFlowへつなぐより、1アプリ・1入力・1人の照合者に絞る方が、どこで結果が変わったかを記録しやすくなります。これはMASTER key株式会社 AX事業部の編集上の判断であり、Googleの効果保証ではありません。
最初の1業務は、公開または合成FAQ3件にする
ここからはGoogle公式の実験結果ではなく、記事で提案する低リスクの確認手順です。FAQの内容は仮想例です。実顧客の問い合わせ、個人情報、認証情報、社内秘密、営業秘密は使いません。
仮想FAQを次の3件用意します。
| 質問 | 合成した原文の例 |
|---|---|
| 返品の受付期間は? | 購入日から30日以内です。 |
| 請求書はいつ発行される? | 毎月末締め、翌月5営業日に発行します。 |
| 受付時間は? | 平日9時から17時です。 |
これはどの会社の規程でもありません。自社の業務に置き換えるときも、最初は公開情報か、内容を作った合成データに限定します。
指示文は「形式」を固定し、秘密を固定しない
カスタム指示に保存するなら、会社固有の顧客情報や規程そのものではなく、出力の形を指定するところから始めます。たとえば、次の文面です。
あなたはFAQ整理の補助です。
出力は必ず「結論」「根拠(入力原文の該当箇所)」「要確認」の3欄に分けてください。
入力原文にない内容は推測で補わず、「要確認」と表示してください。
回答を送信・共有・承認済みの社内回答として扱わないでください。
この指示文は記事内の編集案です。Google公式がこの文面や3欄形式を推奨しているわけではありません。
実行は一つのアプリから始める
- 公式Helpと自社画面で、Geminiへのアクセス、対象アカウント・エディション、表示されたアプリ、言語・地域、ロールアウト状態を確認する。表示が複数アプリに出ていても、最初は一つだけ選ぶ。迷う場合はDocsを候補にできますが、表示が確認できることが前提です。
- 選んだアプリのPersonalization settingsで、カスタム指示の追加、適用範囲、オン/オフ、削除方法を画面どおりに記録する。画面にない項目を推測で補いません。
- 合成FAQ3件を入力し、同じ指示で整理する。出力形式が3欄になるかだけでなく、結論が原文にあるか、根拠がどこか、未確認が残るかを確認する。
- SourcesからPersonalization settingsを確認できる表示があれば、指示が使われたかを記録する。これは画面上の確認であり、出力品質の保証ではありません。
- オン/オフの操作が画面に表示される場合は、同じ入力をオフでも実行し、出力形式と要確認の残り方を比較する。差があったとしても、時間短縮や正確性が証明されたとは書きません。
- 原文と出力を人が照合し、確認者の役割、未確認箇所、継続・構成修正・保留の判断をメモする。別アプリへ広げるなら、対象アプリと適用範囲をもう一度確認します。
確認メモのテンプレート
| 項目 | 記録する内容 |
|---|---|
| 確認日 | 実施した日。未実施なら空欄のままにする |
| 対象アプリと画面 | 例:Google DocsのGemini画面。実際に表示された名称 |
| アカウント・エディション | 自社画面または管理者に表示された値。推測で補わない |
| 言語・地域・ロールアウト | 公式Helpの条件と自社画面の差分 |
| カスタム指示の表示 | あり/なし、Personalization settingsへの導線 |
| 適用範囲 | 公式Help、画面、または「未確認」 |
| 指示文 | 出力形式など。秘密・個人情報は書かない |
| 入力データ | 公開情報/合成データ。顧客情報は使わない |
| 出力の照合 | 原文の該当箇所、要確認の残り方、照合した役割 |
| オン/オフ・削除 | 画面で確認できた操作だけを記録 |
| 判定 | 継続/構成修正/保留。実データ投入や共有の承認ではない |
「対象」「表示」「適用範囲」「入力データ」「解除方法」「確認者」のどれかが空欄なら、次のアプリへ拡大しません。
この条件なら止める
次のいずれかに当たる場合は、実データ投入・共有・メール送信へ進まず、管理者または業務責任者へ戻します。
- Gemini、カスタム指示、Personalization settingsの表示がなく、対象アカウント・エディション・言語・地域・ロールアウトのどれかを説明できない。
- Google Workspace Updatesには載っているが、Google SheetsまたはGoogle Driveでカスタム指示が使えると自社画面や専用Helpで確認できない。
- Gmailで表示された指示を、Google DocsやGoogle Sheetsにも同じように適用できると証明できない。
- 指示の保存範囲、オン/オフ、削除、確認者のいずれかが分からない。
- 顧客メール、個人情報、認証情報、営業秘密、社内機密を指示文やテスト入力へ固定しそうになる。
- 出力が原文にない内容を結論として埋め、要確認として止められない。
- AIの出力を承認済みの回答、会社の規程、アクセス権、データ分類、情報漏えい防止策として扱おうとする。
- Flowや別アプリの連携、外部共有、送信、ファイル操作まで一度に進めようとする。
Googleのデータ保護に関するHelpは、Workspace内のコンテンツや生成AIモデルの扱いを条件付きで説明しています。それは、どの秘密情報でも入力してよいという許可でも、社内規程・契約・法務判断の代替でもありません。データを最小化し、社内ルールを先に確認します。[S7]
まとめ:使えるかではなく、どこまで確認できたかで決める
Google WorkspaceのGeminiカスタム指示は、Google公式の発表上、DocsからDrive、Chat、Slides、Sheets、Gmailへ対象面が広がっています。一方、専用Helpのサービス列挙や提供条件には確認の差があり、全アプリ・全テナント・日本語で同じように使えるとは言えません。
だから最初の判断は「全社で使う」ではなく、「表示と範囲を確認できた1アプリで、合成FAQ3件を3欄に整理し、人が原文と照合できるか」です。できなければ保留します。できても、結果を承認済み回答や効果として扱わず、確認メモを残してから次の業務を選びます。
MASTER key株式会社 AX事業部のこの記事での立場は、AI導入の最初の単位を「機能」ではなく、「対象アプリ・データ範囲・人の照合・停止条件」で切ることです。これは読者に提示する業務設計上の見解であり、顧客実績、導入成果、検索需要の実測を示すものではありません。
まずは自社画面に表示された一つのアプリで、公開または合成FAQ3件と確認メモを用意してください。続けるか、構成を直すか、保留するかは、そのメモの空欄から決められます。
参照元
以下は本稿で参照したGoogle公式資料です。外部ページの取得日は2026年9月12日です。
- [S1]Google Workspace Updates: Custom instructions for Gemini in Workspace now available in more apps
- [S2]Google Workspace Updates: Set custom instructions for Gemini in Google Docs
- [S3]Google Docs Editors Help: カスタム指示で Gemini in Workspace の回答をカスタマイズする
- [S4]Google Docs Editors Help: Customize Gemini in Workspace's responses with your instructions
- [S5]Google Workspace Learning Center: Using Google Workspace with Gemini
- [S6]Google Workspace Learning Center: Tips to use AI steps in flows
- [S7]Google Docs Editors Help: Learn how Gemini in Gmail, Calendar, Chat, Docs, Drive, Sheets, Slides, Meet & Vids protects your data


