2026.10.01
案内文を短くしても、条件を残す

AIに案内文を短くしてもらうと、読みやすくなる一方で、対象や期限まで一緒に削られることがあります。確認したいのは文字数だけではありません。読み手が誤った行動をしないよう、必要な条件が残ったかを原文と見比べます。
まず、削ると困る条件を決める
次は、社内備品の返却を案内する架空の例です。
HDMIアダプターを借りた人は、金曜日の17時までに総務窓口へ返してください。金曜日に出社しない人は、木曜日の17時までに返してください。破損や付属品不足がある場合は、返却箱には入れず総務窓口で知らせてください。
短くする前に、読み手の行動が変わる条件に印を付けます。
- 対象:HDMIアダプターを借りた人
- 期限:通常は金曜日の17時、金曜日に出社しない場合は木曜日の17時
- 例外:破損や付属品不足があれば、返却箱を使わず窓口で知らせる
この3点が文章に残るかを、出力を見るときの基準にします。
条件を指定して短くしてもらう
入力欄に、たとえば次のように書きます。実際に試すときは、利用が認められたサービスと情報だけを使ってください。
次の案内文を、必須条件を残したまま2文以内に短くしてください。
対象:HDMIアダプターを借りた人
期限:金曜日17時まで。金曜日に出社しない場合は木曜日17時まで
例外:破損または付属品不足の場合、返却箱を使わず総務窓口で知らせる
内容にない条件は足さないでください。条件をすべて保てない場合は、短縮文を出す前に、どの条件が収まらないかを教えてください。
案内文:
HDMIアダプターを借りた人は、金曜日の17時までに総務窓口へ返してください。金曜日に出社しない人は、木曜日の17時までに返してください。破損や付属品不足がある場合は、返却箱には入れず総務窓口で知らせてください。
出力を元の案内と照らす
条件が保たれた短縮例は、次のようになります。
HDMIアダプターを借りた人は、金曜17時までに総務窓口へ返してください。金曜に出社しない人は木曜17時までに返却し、破損・付属品不足がある場合は返却箱を使わず窓口で知らせてください。
一方、次の文は短くても採用できません。
HDMIアダプターは金曜までに返却してください。破損品は窓口へ。
「借りた人」という対象が見えなくなり、17時という時刻、金曜日に出社しない人の期限、付属品不足の場合の扱い、返却箱を使わない指示も抜けています。元文と比べ、次の順で確認します。
- 対象は同じ人に限定されているか。
- 日付や時刻がぼやけていないか。
- 例外と、そのときの行動が残っているか。
- 元文にない約束や条件を付け足していないか。
ひとつでも違っていたら、その文は使わずに条件を補って頼み直します。2文では条件が収まらないときは、「条件を保つことを優先し、必要なら3文まで」と長さの希望をゆるめます。短さより、相手が正しく動けることを優先します。
入力する情報にも気を配る
個人情報保護委員会は2023年6月の注意喚起で、生成AIの回答に不正確な内容が含まれることや、入力した個人情報が機械学習に使われる可能性などを挙げています。サービスの規約やプライバシーの扱いを確認し、組織で利用が認められたサービスを使いましょう。
実在する人の氏名・連絡先・顧客情報、未公開の取引条件や社内情報、パスワード・認証コードは入力しないでください。社内ルールが分からないときは、実際の案内ではなく、上のような架空例で試せます。
次に案内文を短くするときは、まず「削ると相手の行動が変わる条件」をひとつ選び、出力に残っているか確かめてみてください。
参考資料
- 個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」(2023年6月2日公表、2026年10月1日確認)


