2026.10.01
読み手が知っていることを、AIへの依頼に添える

「分かりやすく書いて」と頼んでも、読み手が何を知っているかまでは伝わりません。そのため、前提が抜けて読みにくくなったり、すでに知っている説明が長く続いたりします。
依頼に「相手が知っていること」と「初めて知ること」を一つずつ添えると、どの説明を入れるべきか考えやすくなります。OpenAIの案内も、依頼を明確にし、必要な文脈を加え、出力を見て整えることを勧めています。ここでは、その考え方を社内向けの短い案内文に使ってみます。公式のプロンプト案内(2026年10月1日確認)。
読み手について、三つだけ書く
まず、次の三点を短くメモします。
- 誰が読むか:チームに加わったばかりの人、毎週の報告をしている同僚など
- すでに知っていること:提出先、これまでの手順、用語の意味など
- 初めて知ること:変更日、新しい手順、今回してほしいことなど
読み手の知識を詳しく調べる必要はありません。仕事の案内なら、「この相手は何をすればよいか分かっているか」「どこから説明が必要か」を考えるだけで、依頼の焦点を決められます。
同じ事実でも、説明を調整できる
以下は、説明の組み立てを示すための架空の社内例です。事実を先に固定し、読み手の違いだけを変えています。
使う事実
- 2026年11月2日以降、週次進捗報告の締切を毎週水曜16時から毎週金曜正午に変更する
- 週明けの確認会議に向けた準備時間を確保するための変更
- 提出先は、これまでと同じ共有フォーム
チームに加わったばかりの人向け
週次進捗報告の締切が、2026年11月2日から毎週金曜日の正午に変わります。週明けの確認会議に向けた準備時間を確保するためです。提出先はこれまでどおり共有フォームです。
報告の目的と提出先を知っている同僚向け
2026年11月2日から、週次進捗報告の締切は毎週金曜日の正午になります。
後者では、すでに知っている目的や提出先の説明を省いています。相手が知らないことを補い、知っていることを繰り返さないための調整です。なお、変更日や締切などの事実は、どちらの文面でも同じです。
そのまま試せる依頼例
実際の業務では、まず個人情報や社外秘の内容を除いた事実を用意します。そのうえで、次の形で依頼できます。
社内向けのお知らせを短く作ってください。
相手:チームに加わったばかりで、週次報告の目的と提出先をまだ知らない人
相手が知っていること:チームに週次報告があること
初めて知ること:2026年11月2日から締切が水曜16時から金曜正午に変わる
変更の理由:週明けの確認会議に向けた準備時間を確保するため
変わらないこと:提出先は同じ共有フォーム
根拠にない情報は足さず、確認が必要な点は文案の後に「要確認」として分けてください。
同じ事実のまま「相手」「相手が知っていること」を入れ替えて、もう一度頼みます。たとえば、締切変更だけを知らない同僚向けなら、変更理由や提出先を省いてよいかもしれません。読み手に合わせた違いが出るかを比べてみましょう。
下書きは、元の情報と照らして確認する
出力された文章を使う前に、次を見ます。
- 日付、締切、提出先が、用意した事実と一致しているか
- その読み手に必要な説明が入っているか
- 読み手が知っている説明を長く繰り返していないか
- 問い合わせ先、例外、遅れた場合の扱いなど、依頼していない事実を作っていないか
誤りや説明不足があれば、元資料を確認してから、足りない事実だけ追加して再度頼みます。重要な情報はAIの文面だけで確定せず、元の資料と照らし合わせてください。AIの回答には、もっともらしく見えても誤った情報が含まれることがあります。回答の確認に関する案内(2026年10月1日確認)。
個人名、連絡先、顧客情報、人事情報、未公開の数字や社内限定資料は、勤務先のルールで利用が認められた場合を除き入力しません。練習では架空の事実を使い、実務では共有してよい情報だけに置き換えてください。
次に短い案内文を書くときは、依頼を送る前に「相手がすでに知っていること」と「今回初めて伝えること」を一つずつ書き出してみてください。


