2026.09.30
AIの下書きは「一箇所・理由・残す事実」で直す

「もっと分かりやすく」だけでは、どこをなぜ直したいのかが伝わりません。下書き全体をもう一度任せる前に、まず一文を選び、読み手が迷う点、直す理由、残す事実を分けて伝えてみましょう。変更範囲を絞ると、元の文と見比べやすくなります。
OpenAI Academyの文章作成ガイドも、目的や制約を伝え、出力を確認する下書きとして扱い、広い依頼より具体的な修正指示を使うことを勧めています。ここでは、その考え方を日常の社内案内の修正に当てはめます。OpenAI Academy「Writing with ChatGPT」
直す一文を選び、読み手の困りごとを言葉にする
案内文を読み返し、「この一文のせいで、読む人が何に迷うか」を考えます。「表現を整えたい」だけで終わらせず、「問題がなくても返信が必要か分からない」のように、読み手の判断や行動に結びつけるのがポイントです。
次に、なぜそこを直すのかを短く書きます。最後に、日付、期限、決定事項など、変えてはいけない事実を分けて並べます。情報が足りないときは、AIに補わせず、案内の担当者に確認してから使います。
入力例:返信が必要な条件を一文で明確にする
以下は説明用の架空の社内案内です。ここでは「必要があれば返信してください。」の一文だけを直します。
次の社内案内の「必要があれば返信してください。」だけを書き換えてください。
読む人が迷う点: 問題がなくても返信が必要なのか分からない。
直す理由: 対応が必要な条件と期限を判断できるようにしたい。
使ってよい事実:
- 誤りや不足がある場合は、6月11日17時までに返信する
- 問題がなければ返信は不要
変えない事実:
- 資料の確認期限は6月12日
指定した一文以外は書き換えないでください。事実や条件を追加・変更しないでください。情報が足りなければ、改稿せず不足している点を一つ質問してください。
出力は修正後の一文だけにしてください。
下書き:
「研修資料を確認してください。必要があれば返信してください。資料の確認期限は6月12日です。」
この条件に沿う修正例は、「誤りや不足がある場合は6月11日17時までに返信し、問題がなければ返信は不要です。」です。期限や返信条件は、入力に書いた事実をそのまま使っています。
試したあとの確認
AIの返答を元の文書へ反映する前に、次の点を見ます。
- 指定した一文だけが変わっているか
- 期限や返信条件が、確認済みの事実と一致しているか
- 頼んでいない約束や条件が加わっていないか
- 読む人が次に何をすればよいか分かるか
違う箇所まで書き換わっていたら、そのまま採用せず、元の文と見比べて必要な部分だけ戻します。出力にない事実の確認や、案内を出してよいかの判断は、人が行います。OpenAI Academyも、特定の数字や方針に触れる文章は事実を確認するよう案内しています。同ガイド
入力してよい情報を先に確かめる
実際の業務文書を使う場合は、所属先が認めたAIサービスとアカウントを選び、入力してよい情報の範囲を確認してください。個人名や連絡先、顧客情報、非公開の価格・契約・人事・計画、パスワードや認証情報は、許可が確認できない限り入力しません。伏せ字にしても内容から個人や案件が分かる場合は、架空の文面で試します。
ChatGPTのデータ設定はプランやワークスペースによって異なり、管理されたアカウントでは組織の設定や方針が適用されます。サービスの設定だけで判断せず、職場のルールも確認してください。OpenAI「Data controls in ChatGPT」・OpenAI「Data access for your managed ChatGPT account」
まずは一文だけ試す
- 職場で利用が認められたAIを開き、最近の下書きを一つ選びます。元の文書を残せるよう、複製した文面で試します。
- 説明用の例を、自分が直したい一文と、確認済みの事実に置き換えます。「読む人が迷う点」「直す理由」「残す事実」が埋まらない場合は、先に案内の担当者へ確認します。
- 入力例をAIに渡し、返答を元の一文と照らし合わせます。上の確認項目を満たした部分だけ、自分で文書に反映します。
参照先は2026年9月30日に確認しました。


