2026.10.05
短いメモの表題は、本文が約束する範囲で選ぶ

短い社内メモに表題を付けるとき、生成AIに候補を二つだけ出してもらう方法があります。決めるのはAIではなく、本文を知っているあなたです。候補を読む人が本文に書かれていないことまで期待しそうなら、その案は選びません。
頼むのは表題だけ
表題は、本文を読む前に「何について、どこまで分かるのか」を伝える入口です。本文にある語を並べるだけではなく、読み手が何を期待するかも想像して選びます。ここでは本文を書き直したり、内容を足したりせず、表題候補だけを考えます。
まずは架空の短いメモを用意する
共有のはさみは、使い終わったら窓側の引き出しに戻します。戻すときは刃を閉じてください。
これは説明用の架空例です。実際の社内ルールをAIに入力する必要はありません。
AIに渡す入力例
次の二文の社内メモに、表題を二案ください。本文に書かれている内容だけを表し、書いていないルールや理由は加えないでください。表題だけを箇条書きで示してください。本文の書き換えは不要です。
本文:共有のはさみは、使い終わったら窓側の引き出しに戻します。戻すときは刃を閉じてください。
この依頼では「二案」「本文の内容だけ」「表題だけ」と、作業と出力を小さく区切っています。候補が出たら、次のように本文と照らします。
候補を本文と見比べる例
次の表題候補は説明用の架空例で、生成AIに実行させた結果ではありません。
- 「共有のはさみを戻す場所と、戻すときの確認」
本文の「窓側の引き出しに戻す」「刃を閉じる」の両方が分かります。 - 「共有備品の利用ルール」
はさみ以外の備品や、利用全般の決まりまで説明しているように読めます。本文の二文が約束している範囲を超えるため、このメモの表題には広すぎます。
候補のうち、本文のどの言葉がその表題を支えているか探してみてください。支える箇所が見つからない案は、短く言い換えるか、選ばずに自分で書きます。
試すときの三つの確認
- 本文に書いたことを表しているか
表題の言葉を一つずつ本文に照らします。本文にない理由、効果、決まり、期限を足していないかを見ます。 - 読む人が期待する内容と合うか
表題だけを見た人が「利用全般のルールが分かる」と思うのに、本文には置き場所と刃の閉じ方しかない、といったずれがないか想像します。 - 二案とも合わなければ、自分で決める
AIの候補を使うことが目的ではありません。どちらも広すぎる、または内容がぼやけるなら、本文に合う言葉で表題を書きます。迷ったときだけ「本文にある語を優先して、もう二案ください」と条件を一つ変えて頼みます。
「分かりやすく」「目を引くように」と頼むと、本文にないメリットや決まりまで表題に含まれることがあります。表題の見栄えより、本文が実際に説明している範囲に収まっているかを優先します。特に、期限、承認、利用条件などの重要な約束が表題に見える場合は、本文の根拠と社内の確認を欠かさないでください。
入力する前に
会社が利用を認めている生成AIを使い、入力ルールを確認してください。顧客名や連絡先、未公開の社内ルール、営業秘密、個人情報を含む文章は入力しません。実際のメモを渡せない場合は、上のような架空の二文で依頼の仕方だけ練習できます。IPAの利用者向け資料も、クラウドAIに営業秘密を入力しないことを基本的な対策として挙げています(確認日:2026年10月5日)。IPA「AI利用者のためのセキュリティ豆知識」
今日の小さな一歩
実際の文章を使わず、架空の二文メモを一つ作ってみてください。利用を認められたAIに表題を二案頼み、各案を支える言葉が本文にあるか探します。本文より広い案を外せたら、この作業は完了です。


